TFDS と決定論

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このドキュメントでは、以下について説明します。

  • TFDS は決定論を保証する
  • TFDS が例を読み取る順序
  • さまざまな警告と落とし穴

MNIST モデルをビルドする

データセット

TFDS がデータを読み取る仕組みを理解するには、何らかのこんてきすとが必要です。

TFDS は生成中に、元のデータを標準化された .tfrecord ファイルに書き込みます。大型のデータセットの場合、複数の .tfrecord ファイルが作成され、ファイルごとに複数の Example が含められます。これらの .tfrecord ファイルはそれぞれシャードと呼ばれています。

このガイドでは、1024 個のシャードを持つ imagenet を使用します。

import re
import tensorflow_datasets as tfds

imagenet = tfds.builder('imagenet2012')

num_shards = imagenet.info.splits['train'].num_shards
num_examples = imagenet.info.splits['train'].num_examples
print(f'imagenet has {num_shards} shards ({num_examples} examples)')
imagenet has 1024 shards (1281167 examples)

データセットの Example ID を特定する

決定論についてのみ関心がある場合は、次のセクションにスキップできます。

各データセットの Example は、id によって一意に識別されています(例: 'imagenet2012-train.tfrecord-01023-of-01024__32')。この id は、read_config.add_tfds_id = True によって回復できます。これにより、tf.data.Dataset からの dict に 'tfds_id' キーが追加されます。

このチュートリアルでは、データセットの Example ID を出力する小さな util を定義します(人間が読めるように数値に変換します)。

読み取る際の決定論

このセクションでは、tfds.load の決定論的保証を説明します。

shuffle_files=False を使用する(デフォルト)

デフォルトでは、TFDS は決定論的に Example を生成します(shuffle_files=False)。

# Same as: imagenet.as_dataset(split='train').take(20)
print_ex_ids(imagenet, split='train', take=20)
print_ex_ids(imagenet, split='train', take=20)
[0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 1251, 1252, 1253, 1254]
[0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 1251, 1252, 1253, 1254]

パフォーマンスについては、TFDS は tf.data.Dataset.interleave を使用して同時に複数のシャードを読み取ります。この例では、TFDS が 16 個の Example(..., 14, 15, 1251, 1252, ...)を読み取った後に、シャード 2 に切り替えているのがわかります。(..., 14, 15, 1251, 1252, ...)。インターリーブについて以下をご覧ください。

同様に、subsplit API も決定論的です。

print_ex_ids(imagenet, split='train[67%:84%]', take=20)
print_ex_ids(imagenet, split='train[67%:84%]', take=20)
[858382, 858383, 858384, 858385, 858386, 858387, 858388, 858389, 858390, 858391, 858392, 858393, 858394, 858395, 858396, 858397, 859533, 859534, 859535, 859536]
[858382, 858383, 858384, 858385, 858386, 858387, 858388, 858389, 858390, 858391, 858392, 858393, 858394, 858395, 858396, 858397, 859533, 859534, 859535, 859536]

2 エポック以上をトレーニングしている場合、すべてのエポックが同じ順序でシャードを読み取るため、上記のセットアップは推奨されません(つまりランダム性は、ds = ds.shuffle(buffer) バッファサイズに制限されています)。

shuffle_files=True を使用する

shuffle_files=True を使用すると、シャードはエポックごとにシャッフルされるため、読み取りは決定論的でなくなってしまいます。

print_ex_ids(imagenet, split='train', shuffle_files=True, take=20)
print_ex_ids(imagenet, split='train', shuffle_files=True, take=20)
[568017, 329050, 329051, 329052, 329053, 329054, 329056, 329055, 568019, 568020, 568021, 568022, 568023, 568018, 568025, 568024, 568026, 568028, 568030, 568031]
[43790, 43791, 43792, 43793, 43796, 43794, 43797, 43798, 43795, 43799, 43800, 43801, 43802, 43803, 43804, 43805, 43806, 43807, 43809, 43810]

注意: shuffle_files=True に設定することでも、パフォーマンスを促進するために、tf.data.Optionsdeterministic無効化されます。そのため、シャードが 1 つしかないような小さなデータセット(mnist など)であっても、非決定論的になります。

決定論的ファイルをシャッフルするには、以下のレシピをご覧ください。

決定論の注意事項: インターリーブ引数

read_config.interleave_cycle_length を変更すると、read_config.interleave_block_length によって Example の順序が変わります。

TFDS は tf.data.Dataset.interleave を使用して、一度に読み込むシャード数を少なくし、パフォーマンスの改善とメモリ使用率の低減を行っています。

Example の順序は、インターリーブ引数の固定値に対してのみ同じであることが保証されています。どの cycle_lengthblock_length が対応しているかも知るには、インターリーブのドキュメントをご覧ください。

  • cycle_length=16block_length=16(デフォルト、上記と同じ):
print_ex_ids(imagenet, split='train', take=20)
[0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 1251, 1252, 1253, 1254]
  • cycle_length=3block_length=2:
read_config = tfds.ReadConfig(
    interleave_cycle_length=3,
    interleave_block_length=2,
)
print_ex_ids(imagenet, split='train', read_config=read_config, take=20)
[0, 1, 1251, 1252, 2502, 2503, 2, 3, 1253, 1254, 2504, 2505, 4, 5, 1255, 1256, 2506, 2507, 6, 7]

2 つ目の例では、データセットがシャード内の 2 つの Example(block_length=2)を読み取ってから次のシャードに切り替えていることがわかります。2 x 3(cycle_length=3)Example ごとに、最初のシャードに戻ります(shard0-ex0、shard0-ex1、shard1-ex0、shard1-ex1、shard2-ex0、shard2-ex1、shard0-ex2、shard0-ex3、shard1-ex2、shard1-ex3、shard2-ex2、など)。

Subsplit と Example の順序

各 Example には id 0, 1, ..., num_examples-1 があります。subsplit API は、Example のスライス(例: train[:x] select 0, 1, ..., x-1)を選択します。

ただし、Subsplit の中では、Example は ID の昇順には読み取られません(シャードとインターリーブのため)。

より具体的には、ds.take(x)split='train[:x]'同等ではありません

このことは、Example が様々なシャードから取得される上記のインターリーブの例で簡単に確認できます。

print_ex_ids(imagenet, split='train', take=25)  # tfds.load(..., split='train').take(25)
print_ex_ids(imagenet, split='train[:25]', take=-1)  # tfds.load(..., split='train[:25]')
[0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 1251, 1252, 1253, 1254, 1255, 1256, 1257, 1258, 1259]
[0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21, 22, 23, 24]

16(block_length)の Example の後、train[:25] が最初のシャードの Example を読み取り続ける間、.take(25) は次のシャードに切り替えます。

レシピ

決定論的ファイルシャッフル

決定的シャッフルを行うには 2 つの方法があります。

  1. shuffle_seed を設定する方法。注意: これにはエポックごとにシードを変更する必要があります。変更しない場合、シャードは、エポックごとに同じ順序で読み取られてしまいます。
read_config = tfds.ReadConfig(
    shuffle_seed=32,
)

# Deterministic order, different from the default shuffle_files=False above
print_ex_ids(imagenet, split='train', shuffle_files=True, read_config=read_config, take=22)
print_ex_ids(imagenet, split='train', shuffle_files=True, read_config=read_config, take=22)
[176411, 176412, 176413, 176414, 176415, 176416, 176417, 176418, 176419, 176420, 176421, 176422, 176423, 176424, 176425, 176426, 710647, 710648, 710649, 710650, 710651, 710652]
[176411, 176412, 176413, 176414, 176415, 176416, 176417, 176418, 176419, 176420, 176421, 176422, 176423, 176424, 176425, 176426, 710647, 710648, 710649, 710650, 710651, 710652]
  1. experimental_interleave_sort_fn を使用する方法: この場合、ds.shuffle の順序に依存せずに、どのシャードがどの順序で読み取られるかを完全に制御できます。
def _reverse_order(file_instructions):
  return list(reversed(file_instructions))

read_config = tfds.ReadConfig(
    experimental_interleave_sort_fn=_reverse_order,
)

# Last shard (01023-of-01024) is read first
print_ex_ids(imagenet, split='train', read_config=read_config, take=5)
[1279916, 1279917, 1279918, 1279919, 1279920]

決定論的プリエンプティブルパイプライン

これはより複雑なレシピです。簡単で満足のいくソリューションはありません。

  1. ds.shuffle を使用せず、決定論的シャッフルを使用すると、理論的には、読み取られた Example をカウントし、どの Example が書くシャード内で読み取られたか(関数 cycle_lengthblock_length、およびシャード順)を演繹することは可能です。その後に、skip と各シャードの takeexperimental_interleave_sort_fn を介して注入することができます。

  2. ds.shuffle を使用した場合、完全なトレーニングパイプラインを再生せずにはほぼ不可能です。どの Example が読み取られたかを演繹するには、ds.shuffle バッファの状態を保存する必要があります。Example は非連続的(たとえばshard5_ex2, shard5_ex4 が読み取られても shard5_ex3 は読み取られないなど)となる可能性があります。.

  3. ds.shuffle を使用した場合、読み取られたすべての shards_ids/example_ids(tfds_id から演繹)を保存し、そのからファイルの命令を演繹する方法が考えられます。

1. の最も単純なケースは、.skip(x).take(y)train[x:x+y] をマッチさせることです。これには以下が必要となります。

  • cycle_length=1 を設定する(シャードが順次読み取られるように)
  • shuffle_files=False を設定する
  • ds.shuffle を使用しない

トレーニングが 1 エポックだけの大型のデータセットでのみ使用することをお勧めします。Example はデフォルトのシャッフル順に読み取られます。

read_config = tfds.ReadConfig(
    interleave_cycle_length=1,  # Read shards sequentially
)

print_ex_ids(imagenet, split='train', read_config=read_config, skip=40, take=22)
# If the job get pre-empted, using the subsplit API will skip at most `len(shard0)`
print_ex_ids(imagenet, split='train[40:]', read_config=read_config, take=22)
[40, 41, 42, 43, 44, 45, 46, 47, 48, 49, 50, 51, 52, 53, 54, 55, 56, 57, 58, 59, 60, 61]
[40, 41, 42, 43, 44, 45, 46, 47, 48, 49, 50, 51, 52, 53, 54, 55, 56, 57, 58, 59, 60, 61]

特定の Subsplit でどのシャード/Example が読み取られたかを調べる

tfds.core.DatasetInfo を使うと、読み取り命令に直接アクセスできます。

imagenet.info.splits['train[44%:45%]'].file_instructions
[FileInstruction(filename='imagenet2012-train.tfrecord-00450-of-01024', skip=700, take=-1, num_examples=551),
 FileInstruction(filename='imagenet2012-train.tfrecord-00451-of-01024', skip=0, take=-1, num_examples=1251),
 FileInstruction(filename='imagenet2012-train.tfrecord-00452-of-01024', skip=0, take=-1, num_examples=1251),
 FileInstruction(filename='imagenet2012-train.tfrecord-00453-of-01024', skip=0, take=-1, num_examples=1251),
 FileInstruction(filename='imagenet2012-train.tfrecord-00454-of-01024', skip=0, take=-1, num_examples=1252),
 FileInstruction(filename='imagenet2012-train.tfrecord-00455-of-01024', skip=0, take=-1, num_examples=1251),
 FileInstruction(filename='imagenet2012-train.tfrecord-00456-of-01024', skip=0, take=-1, num_examples=1251),
 FileInstruction(filename='imagenet2012-train.tfrecord-00457-of-01024', skip=0, take=-1, num_examples=1251),
 FileInstruction(filename='imagenet2012-train.tfrecord-00458-of-01024', skip=0, take=-1, num_examples=1251),
 FileInstruction(filename='imagenet2012-train.tfrecord-00459-of-01024', skip=0, take=-1, num_examples=1251),
 FileInstruction(filename='imagenet2012-train.tfrecord-00460-of-01024', skip=0, take=1001, num_examples=1001)]