TensorFlow ドキュメントスタイルガイド

ベストプラクティス

  • ユーザーの意図と読者に焦点を絞る。
  • 日頃よく使う言葉を使用し、文章を簡潔にする。
  • 文章の構成、言い回し、大文字の使用には一貫性を持たせる。
  • 見出しやリストを使用し、文書を検索しやすくする。
  • Google 開発者ドキュメントスタイルガイドを参考にする。

Markdown

いくつかの例外を除き、TensorFlow は GitHub Flavored Markdown(GFM)に似た Markdown 構文を使用しています。ここでは、GFM Markdown の構文と、TensorFlow のドキュメントに使用される Markdown との違いを説明します。

コードの記述

コードの記述をインライン化

テキストで使用する場合は、以下のシンボルの前後に backticks(バッククォート)を挿入します。

  • 引数名: inputxtensor
  • 返されるテンソル名: outputidxout
  • データ型: int32floatuint8
  • テキスト内のその他の演算子名の参照: list_diff()shuffle()
  • クラス名: tf.TensorStrategy
  • ファイル名: image_ops.py/path_to_dir/file_name
  • 数式や条件: -1-input.dims() <= dim <= input.dims()

コードブロック

3 つのバッククォートを使用して、コードブロックを開いたり閉じたりします。オプションで、最初のバッククォートグループの後にプログラミング言語を指定します。例を示します。



```python
# some python code here
```

Markdown とノートブック内のリンク

リポジトリ内のファイル間のリンク

1 つの GitHub リポジトリ内でファイル間をリンクするには、相対リンクを使用します。ファイル拡張子も含めてください。

たとえば、今読んでいるこのファイルhttps://github.com/tensorflow/docs リポジトリにあります。したがって、次のように、同じリポジトリ内の他のファイルへのリンクには相対パスを使用できます。

  • [Basics](../../guide/basics.ipynb)Basics を生成します。

このようにすると、tensorflow.orgGitHub、および Colab のリンクがすべて機能するため、これが優先される方法です。また、読者がリンクをクリックしても、同じサイト内にとどまります。

注意: 相対リンクでは、.ipynb.md などのファイル拡張子を含めてください。拡張子がない場合、tensorflow.org でレンダリングされます。

外部リンク

現在のリポジトリにないファイルへのリンクの場合は、絶対 URIを使った標準的な Markdown リンクを使用します。利用できる場合は、tensorflow.org URI にリンクすることを優先してください。

ソースコードをリンクするには、https://www.github.com/tensorflow/tensorflow/blob/master/ で始まるリンクを使用し、その後に GitHub のルートで始まるファイル名をつけます。

tensorflow.org からリンクする場合は、「外部リンク」シンボルが表示されるように、Markdown リンクに {:.external} を含めます。

  • [GitHub](https://github.com/tensorflow/docs){:.external}GitHub となります。

リンクに URI クエリパラメータを含めないでください。

  • 使用する: <a href="https://www.tensorflow.org/guide/data">https://www.tensorflow.org/guide/data</a>
  • 使用しない: <a href="https://www.tensorflow.org/guide/data?hl=en">https://www.tensorflow.org/guide/data?hl=en</a>

画像

前のセクションの推奨事項は、ページへのリンクを対象としています。画像においては、処理が異なります。

一般に、画像はチェックインせずに、TensorFlow-Docs チームを PR に追加し、tensorflow.org に画像をホストするように要請します。こうすることで、リポジトリのサイズを抑制することができます。

リポジトリに画像を送信する場合は、システムによっては、画像への相対パスが処理されないことに注意してください。tensorflow.org にある画像の最終的な場所にポイントする絶対 URL を使用することを優先してください。

API ドキュメントへのリンク

API リンクはサイトの公開時に変換されます。シンボルの API リファレンスページにリンクするには、シンボルパス全体をバッククォートで囲みます。

  • 貢献内容のスペルと文法をチェックします。ほとんどのエディタにはスペルチェッカーが含まれているか、利用可能なスペルチェックプラグインがあります。また、Google ドキュメントや他の文書ソフトにテキストを貼り付けて、より強力なスペルチェックや文法チェックをすることもできます。

長いパスでない限り、フルパスの方がやや優先されます。パスは、先頭のパスコンポーネントを抄訳することで、短縮が可能です。部分パスは、以下の場合にリンクに変換されます。

  • パスに少なくとも 1 つの . が含まれる場合。
  • 複雑な専門用語は使わず、簡潔で要点を押さえた文章を使用します。重文、節の連鎖、場所特有の慣用句は、テキストの理解や翻訳を難しくする可能性があります。文章を 2 つに分割できる場合は、分割した方がよいでしょう。セミコロンは避け、必要に応じて箇条書きを使用します。

API パスは、tensorflow.org に公開された Python API でプロジェクト単位にリンクされます。以下のようにその API 名をバッククォートで囲むと、単一のファイルから複数のサブプロジェクトに簡単にリンクできます。

複数のパスエイリアスを持つシンボルの場合は、tensorflow.org 上の API ページに一致するパスがやや優先されます。すべてのエイリアスは正しいページにリダイレクトされます。

Markdown の数学

Markdown ファイルを編集する際には TensorFlow 内で MathJax を使用することができますが、以下の点に注意してください。

  • MathJax は tensorflow.org で適切にレンダリングします。
  • MathJax は GitHub では適切にレンダリングできません。
  • この表記法は、経験の浅い開発者には難しいかもしれません。
  • 一貫性を保つために、tensorflow.org は Jupyter や Colab と同じルールに従っています。

MathJax のブロックの前後に$$を使用します。

$$
E=\frac{1}{2n}\sum_x\lVert (y(x)-y'(x)) \rVert^2
$$

\[ E=\frac{1}{2n}\sum_x\lVert (y(x)-y'(x)) \rVert^2 \]

インラインの MathJax の式を$ ... $でラップします。


This is an example of an inline MathJax expression: $ 2 \times 2 = 4 $

これはインライン MathJax の式の例で、\( 2 \times 2 = 4 \) です。

( ... ) 区切り文字は、インライン数式でも使用できますが、$ 形式の方が読みやすい場合があります。

注意: テキストや MathJax の式の中でドル記号を使う必要がある場合は、先頭のスラッシュでエスケープします(\$)。コードブロック内のドル記号(Bash の変数名など)はエスケープする必要はありません。

文章のスタイル

ナラティブドキュメントの大部分を記述したり編集したりする場合には、Google 開発者向けドキュメントスタイルガイドをお読みください。

良いスタイルの原則

  • 貢献内容のスペルと文法をチェックします。ほとんどのエディタにはスペルチェッカーが含まれているか、利用可能なスペルチェックプラグインがあります。また、Google ドキュメントや他の文書ソフトにテキストを貼り付けて、より強力なスペルチェックや文法チェックをすることもできます。
  • 堅くない話し言葉のような文調を使用します。TensorFlow のドキュメントは会話のように、まるで相手に 1 対 1 で話しているかのように書きます。記事には支持的な口調を使用します。

注意: 堅苦しい表現を避けるというは、難しい技術的な内容を避けるという意味ではありません。技術的な内容を分かりやすく平易な言葉遣いで説明するこということです。

  • 否定、意見、価値の判断は避けるようにします。「easily(簡単)」「just(ただ)」「simple(単純)」などの言葉には、思い込みが込められています。自分には簡単に見えても、他の人には難しいことがあるかもしれません。これらは可能な限り避けるようにします。
  • 複雑な専門用語は使わず、簡潔で要点を押さえた文章を使用します。重文、節の連鎖、場所特有の慣用句は、テキストの理解や翻訳を難しくする可能性があります。文章を 2 つに分割できる場合は、分割した方がよいでしょう。セミコロンは避け、必要に応じて箇条書きを使用します。
  • 文脈を提供します。説明せずに略語を使用しないでください。TensorFlow 以外のプロジェクトについては、そのリンクを張らずに言及してはいけません。コードがそのように記述されている理由を説明してください。

使用ガイド

演算子

演算子が何を返すかを表示する場合は、単一の等号の代わりに # ⇒ を使用します。

# 'input' is a tensor of shape [2, 3, 5]
(tf.expand_dims(input, 0))  # ⇒ [1, 2, 3, 5]

ノートブックでは、コメントを追加する代わりに結果を表示します(ノートブックセルの最後の式が変数に割り当てられていない場合は、自動的にそれが表示されます)。

API リファレンスドキュメントでは、doctest を使って結果を表示することが推奨されています。

テンソル

一般的にテンソルについて話す際は、tensor という単語を大文字にしてはいけません。演算子に提供されたり演算子から返されたりする特定のオブジェクトについて話す際は、Tensor と単語の頭文字を大文字にし、さらにこれはTensor オブジェクトについて話しているため、その前後にバッククォートを追加します。

複数の Tensor オブジェクトを表現する際に、Tensors オブジェクトについて言及していない場合に Tensors(複数形)を使用してはいけません。その代わりに "a list (or collection) of Tensor objects"(「Tensor オブジェクトのリスト(またはコレクション)」)と表記します。

shape という単語を使用してテンソルの軸を詳しく説明し、バッククォート付きの角括弧で形状を示します。例を示します。


If `input` is a three-dimensional tensor with shape `[3, 4, 3]`, this operation
returns a three-dimensional tensor with shape `[6, 8, 6]`.

上述のとおり、Tensor の形状の要素について話す場合には、「dimension(次元)」ではなく、「axis(軸)」または「index(インデックス)」を使用することを推奨します。そうでない場合、「dimension」をベクトル空間の次元と混同する可能性があるためです。「three-dimensional vector(3 次元ベクトル)」は長さ 3 の単一の軸です。